新人がわからないことを質問できる環境作りも大切

患者さんの命を預かる以上、看護師にミスは許されません。しかし、人がすることにはミスはつきものです。新人のときはなおさらですが新人のときのミスを、教訓として次に生かすことが大切です。病棟の患者さんが看護師に助けて欲しいときにはナースコールを使います。ナースコールを受ける際に「もしもし」といってしまったり、自分の名前を名乗ってしまったという看護師がいます。ミスとはいえないような事例ですが自分の名前を名乗ることは、むしろよいことではないでしょうか。自分の名前を名乗ることで責任感が持てます。

ロイコボリンという薬品名を、言い間違えてイボコロリといったという看護師がいました。イボコロリは比較的有名な薬品名で、医療の現場で使われる薬品ではないため笑い話になっています。ですが、薬品名を間違えたなどの投薬ミスは看護師のミスの中でもっとも多く、笑ってばかりもいられません。医療機関で使う薬品の名前を、緊張感のある現場で言い間違えて気づかないと重大な医療ミスにつながります。

先輩から患者さんに「包交」するよう頼まれた看護師が、患者さんを「ボコボコ」にするとはどういうことかと聞き返したというエピソードがあります。包交は包帯交換の略語で、包帯だけでなく傷を保護するためのドレッシング材も含みます。新人看護師が包交の意味を知らなかったために起きたミスですが、きちんとした対応をして自分の無知をカバーした事例です。新人がわからないことを質問できる、よい職場環境であるといえます。

◎新人がやってしまいがちなミスに関しては『看護師のミスについて考察<働く看護師の窓口>』というサイトを参考にさせていただきました